フリートウッド・マック(Fleetwood Mac)はイギリス、アメリカのバンド。ブルースロックのバンドだった初期とポップバンドとして大成功を収めた後期で音楽性が大きく異なる。
ピーター・グリーン時代
1967年、ジョン・メイオールの門下生だったピーター・グリーン(ギター)、ミック・フリートウッド(ドラム)、ジョン・マクヴィー(ベース)らでバンドを結成。初期のバンド名はピーター・グリーンズ・フリートウッド・マック(Peter Green's Fleetwood Mac)。グリーンのギターをフィーチャーし、当時イギリスで勃興していたブルースロックのブームに乗って成功を収めた。なおアルバム「英国の薔薇」収録の「ブラック・マジック・ウーマン」は、後にサンタナにカバーされてヒットしている。他にもジューダス・プリースト、ゲイリー・ムーア、エアロスミスが、この時期のフリートウッド・マックの曲をカバー。
[編集] ボブ・ウェルチ時代
やがてピーター・グリーンは麻薬に溺れて精神に異常をきたし、1970年にバンドを脱退。新しいメンバーとしてアメリカ人のボブ・ウェルチ、加入後にジョン・マクヴィーの妻になったクリスティン・パーフェクトが加入し、バンド名をフリートウッド・マックと改めた。この時期のマックはややジャズロック的アプローチをとり、3枚のアルバムを発表して安定した活動を続ける。しかし1974年にフロントマンのウェルチが脱退してしまい、バンドは再び存続の危機を迎える。
[編集] 黄金時代
ウェルチに代わるフロントマンを探していたフリートウッドは、バッキンガム・ニックスというアメリカ人の男女デュオを見出し、この二人(リンジー・バッキンガム、スティービー・ニックス)を新しいメンバーとして迎え入れた。再び生まれ変わったマックは1975年にアルバム「ファンタスティック・マック」を発表、「セイ・ユー・ラブ・ミー」、「リアノン」といったヒット曲が生まれ、アルバムは全米1位を獲得、それまでにない成功を収める。穏やかで安心感を醸し出すクリスティン、ポップで張りのあるリンジー、野性的なダミ声かつ哀愁味を帯びた個性派のニックスという三者三様のボーカルはバンドの大きな個性となった。
1977年には最大のヒット作となるアルバム「噂」を発表。シングルカットされた「ドント・ストップ」、「ドリームス」などの大ヒットとともに、アルバムは31週間に渡って全米1位に輝き、1000万枚といわれる史上空前のセールスを記録する。マックは一躍スーパースターの座に上り詰めた。
この後はメンバー各自のソロ活動も並行しながら3枚のアルバムを発表、引き続きヒットを持続した。しかし1987年にバッキンガムが脱退、新しいメンバーを加えたものの1990年にニックスとクリスティンが脱退したことによってバンドは活動停止に追い込まれた。
[編集] 再結成
1992年、ビル・クリントンの大統領選挙のキャンペーンソングに「ドント・ストップ」が使用され、このために黄金時代のメンバーが一時的に集まり再結成ライブを行なった。この後1995年にアルバムを発表、1997年にも再結成ライブを行なうが、翌年にクリスティンが引退する。2003年には再び黄金時代のメンバーが集まって復活作を発表、大きな話題となりヒットを記録した。 .
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